2/6 マツタケ•トリュフの人工栽培技術の開発(マツタケ編)

2/6 会社の有休をとって、マツタケトリュフの人工栽培技術の開発の成果発表会を聞きに行きました。

備忘録として内容まとめます。

1. ガンマ線照射によるマツタケ変異体の作出

森林総研の村田先生の発表。
セルラーゼ活性の高い、G1という変異株の作出に成功したとのこと。菌床でも菌糸が伸びてる…。なんといっても菌床から突起状に形態変化したものが…。もしかすると…!という話。共生系より、ホンシメジのようにこちらの方向性の方が、栽培化するならこちらの方が近いのかもしれない。
興味深いのは植物の成長を阻害している点。木材不朽菌に近い性質をもつと、共生方向にはマイナスに働くものなのかな。
説明では菌根の感染の仕方が、通常と違うという話でした。

あと、マツタケはクランプ作らないから一次菌糸が接合したかわからないから、育種が大変らしい。

2. アカマツを宿主としたマツタケ感染苗の大型化

林地に安定して定着させるために、大スケールの菌根苗を作るという話。信州大の山田先生の発表でした。
興味深いのは、姉妹株(胞子)や競合種(アミタケ)を入れた方が成長が良くなるという点…。
(胞子入れたから発芽して、感染して菌根感染率が増えただけな気もするけど…。ただ、マツタケの共生系では胞子から発芽させて菌根苗は今のところ作れてないらしいから、可能性としては低いとか。)
あとは、栄養剤や赤色光入れると共生系として強くなるから、菌根感染も良くなるらしい。栄養入れると、菌根作らなくても栄養取れるか、感染率下がると思ってたので驚き。

3. マツタケ感染苗移植によるシロ拡大手法の検討

長野県林業総合センター古川先生の話。
感染苗の移植方法の検討の話。移植苗は2年くらいは持つらしい。
あとは、松枯れがひどいところに実生を植えて感染させれば、シロの延命?できるという話。こちらも、シロが延命したというより胞子から感染したのでは?という疑問が残る感じでした…。この辺、マイクロサテライトとかで検証しないと正確なことは言えない感じがする…。

4. バカマツタケの林地接種によるシロ形成と子実体形成

昨今話題のバカマツタケ栽培。奈良林業技術センターの河合先生の発表。
「バカマツタケの菌床を作る→ウバメガシと一緒にセロファンに包む→林地に埋める」
というやり方。
寒天培地の上にセロファン置いて、その上に種菌とバーミキュライトを入れた菌床開発はすごいと思いました。(3ヶ月で菌が全体に回るらしい…!)
ここから8ヶ月でシロ形成、そのあと子実体が発生するらしい。

気になったのが、「本当に共生してる!?」という点…。聞き逃しただけかもしれないけど、菌根が見つからないからバカマツタケに特徴的な厚壁胞子の分布でシロの拡大を見てるらしい…。菌根できてないなら、単に腐生的に増えてシロ拡大しただけなのでは?と思ってしまう…。子実体が発生する試験地は限られるとのことだが、それは菌糸成長に適した土壌環境なだけなのでは?培地の時点で伸びやすい菌株選んでるらしいけど、それって腐生的な性質を持つ菌株選んでるのでは?とか色々考えてしまう…。
質問しておけばよかったと思うのであった…(チキってしまって質問できなかった…)


次回、トリュフ編更新予定です。

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